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■下之郷遺跡で発掘調査体験■
現在国指定となっている下之郷遺跡は弥生時代の大きな集落跡で、「日本には百余りの国があった」と中国の歴史書に記されている頃にあたります。計画的に配列された建物跡の周囲には、環濠(かんごう:小さなお堀のようなもの)とよばれる溝が9重に巡っています。環濠の近くからは銅剣や弓、盾などの武具が出土しており、戦いがあったと考えられています。今回は特別な許可を得て、下之郷遺跡の体験発掘をさせてもらいました。この環濠からは腐らずそのままの状態でメロン(一般的にはウリの仲間)が発見され、全国的なニュースになりました。遺跡は泥炭地にあったため、普通は分解されてなくなってしまうような木材などもたくさん出土しています。体験発掘では、1時間程の間で参加者はこの環濠のこれまでの調査で一番大きな土器を発見し、手ほどきを受けながら遺物をとりあげ、貴重な考古学調査の一部を体験することができました。

■弥生織りの会■
遺跡からは木製品も数多く出土していますが、中には使い道のわからないものが含まれています。民俗事例などを調べていくうちに、それらが布を織る道具であることが分かりました。編布といわれる布の作り方は縄文時代からありましたが、この道具の画期的なところは、いくらでも長い布を織ることができることです。会の方に実演していただいた後に編み方を教えて貰いましたが、当時の技術水準の高さを感じました。

■下之郷じいちゃんズ■
古代米である赤米を地元農家の方々が昔ながらの伝統的な方法で栽培しており、総勢13名の「じいちゃん」達に栽培中の田んぼを案内していただきました。赤米は米粒が赤いのはもちろんですが、刈取り近くになると稲の葉まで真っ赤になるそうです。米は赤いまま食べられますが、きちんと精米すると白米と同じく白くなるそうです。今回はツアーで案内してもらいましたが、普段は地元の世代間交流を進めるため、毎年小学5年生に栽培方法や建築技術などの指南をおこなっているそうです。地元の産業や文化の担い手を大切にしていきたいと精力的に活動する「じいちゃん」達の活動に、今の世の中で失われつつある自然な人との繋がりを感じました。

■琵琶湖守山よし笛アンサンブル■
交流会にて琵琶湖岸に生育する「よし」を原材料とした笛で演奏会をしていただきました。少しかすれた感じの音が自然で柔らかく、演奏と共に写された琵琶湖の美しい映像とぴったりでした。「よし」は環境破壊で減少しつつあるそうで、その現状を多くの人に知ってもらいたいと海外公演などもおこなっているそうです。

■稲と雑穀の会■
遺跡の中から出土する「食」に注目して歴史と文化を現代に実践に繋げようと、赤米やアワ、キビなどの雑穀を栽培し、無農薬栽培の方法や味覚を調べたりしているそうです。参加者には赤米で作ったおはぎをふるまってくれました。(写真)右がキビ、左が黒米の入ったおはぎです。この他にも、「アワの椿もち」といった古代食なども復元されたり、月に1度、ヒエなどに精通している講師を招いて、歴史や技術の勉強会もされているようです。食の見直しが叫ばれている現在、自然のままの素材を使った古代食に目を向ける良い機会となりました。

■琵琶湖博物館■
日本で最も大きい湖である琵琶湖のほとりに建っています。琵琶湖の起源は400万年前にまで遡ります。湖底からは8000年前の粟津遺跡が発見され、また1200年前の文書からは当時の漁労活動の様子などが分かっています。豊かな生態系と、世界でこの湖にしかいない固有の生物種など、湖と人との関わり方を歴史的に考え近代文明のあり方自体を捉えなおし、これからの人と自然の付き合い方を探るようにとつくられた博物館です。テーマもさることながら展示施設も歴史・民俗・アクアリウム・野外展示ゾーンなどがあり、とても一日ではまわりきれません。何度でも足を運びたくなる博物館です。

■交流会■
現地活動4団体など総勢20名の方と懇親会をおこないまいた。よし笛や石琴の演奏や、「じいちゃんズ」の方がお手製のフナ寿司を振舞ってくださるなどのおもてなしを受け、参加者もたいへん満足をしていました。 今回のツアーでは、伝統・技術を今に受け継ぎ、それを通じて人と人の繋がりの薄れや地域を取り巻く環境の変化という問題に対し、様々な形で取り組む姿勢は改めて今後の自らの取り組みについて考えさせられました。

発掘体験
下之郷遺跡発掘調査体験
弥生機織
弥生織りの会
じいちゃんズ
赤はっぴがトレードマークのじいちゃんズ
よし笛
よし笛アンサンブルに飛び入り参加
おはぎ
稲と雑穀の会の2色おはぎ(おいしい!)
琵琶湖博物館
琵琶湖博物館